本研究では電気推進航空機向けの安全な全超伝導同期機(モータ、発電機)の設計に取り組んだ。超伝導巻線の昇温は重大な事故を起こしうるため、昇温リスクが低い液体窒素による冷却を想定した。そのような全超伝導同期機において最適な巻線構造の設計指針を決定することを目的とした。その一環として、磁界中の超伝導線材の交流損失特性を実験から得、その結果を基に特性の解明に取り組み、様々な条件の交流損失値を予測する手法を確立した。また、電磁界および熱の振舞いを再現する解析ソフトによる全超伝導同期機の設計において、交流損失の影響を導入した手法を確立した。この手法に基づき効率よく冷却が可能な巻線構造の設計指針を提案した。
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