フレキシブル全固体薄膜二次電池の実現に向けて、層交換合成した多層グラフェン負極の開発を目標とし、研究を推進した。研究に着手した当初、層交換現象が発現しないという予期せぬ問題に直面した。これを機に、これまで注目していなかった初期の非晶質炭素の膜質と層交換現象の関係を詳細に調査した。その結果、非晶質炭素の密度と酸素濃度が層交換発現温度と合成される多層グラフェンの結晶性に強い影響を及ぼすという、層交換現象における重要知見を明らかにするとともに、層交換現象の再現に成功した。また、金属箔上に層交換合成した多層グラフェン負極を用いてコインセルを作製したところ、良好な負極特性が得られた。
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