本研究は高潮と洪水による複合氾濫災害を対象に,新たな数値モデルの構築と,それを運用することによる都市域での複合氾濫に対するハザード評価を実施した.まず波浪・高潮結合モデルに対して河道を直接組み込み,河川流を考慮可能としたモデルを構築した.さらに上流からの洪水流に対しては降雨流出モデルの計算結果を利用し,モデル境界では時々刻々と変化する流量をシームレスに水位へと変換しながら結合した. 実際の運用では,大阪湾(2018年台風21号)と伊勢湾(2018年台風24号)を選定し,評価を実施した.より許容流量の小さい中小河川では,高潮と洪水の時差が短く,複合氾濫リスクが極めて高いことが明らかとなった.
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