| 研究課題/領域番号 |
21K20449
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
小坂田 ゆかり 京都大学, 防災研究所, 助教 (30909445)
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| 研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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| キーワード | 集中豪雨 / 温暖化 / メカニズム / 観測情報 / 数値モデル / 梅雨前線 |
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| 研究実績の概要 |
我が国で過去に発生した梅雨期の集中豪雨事例（2014年広島豪雨）に関して，大気環境場を温暖化させた条件下で高解像度数値シミュレーション（擬似温暖化実験）を行うことで，温暖化による集中豪雨の将来変化を解析した．その結果，既往研究で示されていた，地球温暖化に伴い集中豪雨の雨量が増す，という結果に反し，温暖化が進行するにつれて徐々に雨量が減少していくという結果を得た．
しかし，上記の擬似温暖化実験は1つの事例サンプルに対して行った実験結果であるため，この将来変化の妥当性を検証するため，気候モデルで計算された長期間の将来気候降雨データを解析することで，2014年広島豪雨と同じような特性（場所・発生メカニズム）を持つ集中豪雨のサンプルを抽出した．大量の集中豪雨サンプルから雨量の将来変化を解析すると，やはり地球温暖化に伴い集中豪雨の雨量は増す，という結果を得た．
上記の擬似温暖化及び気候モデルデータ解析による豪雨の将来変化予測は，どちらも現在多くの気候変動研究で用いられている主流の手法であるものの，これらの結果は時に整合しないという重要な知見を示すことができた．それぞれの手法の特徴を把握し，単一の手法のみによらず様々な手法から統合的に将来変化予測を行う重要性を提示することができた．加えて，それぞれの手法を更に発展させていくことが重要である．
上記の研究成果に加え，温暖化した場合でも集中豪雨が発生するための必要条件は変化しないという可能性も新たに発見した．今後は集中豪雨が発生するための必要条件および十分条件を整理するとともに，それらの現象メカニズムそのものの将来変化を解析していく．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
擬似温暖化実験手法を軸に，梅雨期の集中豪雨の将来変化及びメカニズムの変化解析に確実に着手できているため，概ね順調に進展してきていると考えている．
今後はより，擬似温暖化実験手法を発展させるとともに現象のメカニズムを明らかにしていく予定である．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は，まず過去に発生した集中豪雨事例を改めて全て確認し，その発生メカニズムに関連する必要条件と十分条件を整理する．そして，擬似温暖化実験手法を軸とし，過去の観測情報と将来予測のための数値実験手法を融合させることで，新たな擬似温暖化実験手法の構築に取り組む予定である．
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