| 研究課題/領域番号 |
21K20451
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| 研究機関 | 東京理科大学 |
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研究代表者 |
柏田 仁 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 助教 (10774549)
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| 研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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| キーワード | スーパー台風 / 気候変動 / 氾濫リスク / 三次元河川流計算モデル / 吹送流 / 乱流モデル / LES |
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| 研究実績の概要 |
本研究では，スーパー台風襲来時の洪水・強風同時発生時の河川洪水流の水理特性の解明を行う．風が洪水流に及ぼす影響を精緻に評価するためには，（1）高精度な三次元河川流動モデル，（2）水表面における風応力モデルの導入，（3）乱流モデルの導入が不可欠である．令和3年度は，平面二次元計算と三次元計算を併用するモードスプリット法を導入した高効率三次元計算モデルをベースに以下の検討を行った．①近年の主要な洪水であり，三次元的な流動現象が発生した2020年球磨川水害を対象に，広域の河川流・氾濫流の一体解析モデルを構築した．計算結果と水位観測データ，痕跡水位データ，浸水範囲を比較したところ，本モデルは三次元流動現象を高精度で再現できていることが示された．また，家屋浸水・流失箇所の水理量を分析したところ，従来手法（河道内不定流+氾濫域二次元計算）では浸水・流失箇所に有意な差が無かったが，本モデルでは有意な差が認められ，高精度の流速解析がなされていることが示された．②風応力が河川流に与える影響を評価するために必要となる乱流モデルの見直しを進め，LESの導入に関わる検討を進めている．合わせて，世界的に認知度の高い三次元流動モデルであるDelft3D（Deltares）を用いて，理想的な仮想水路を対象に，河川自流方向に対して順風・逆風・横断方向の風が作用した場合における吹送流の発達や吹き寄せに関する基礎的な感度分析を行っている．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
三次元河川流動モデルについて，顕著な三次元流動現象が発生した2020年球磨川水害データを用いて検証することが出来ており，研究の基盤が出来た状態にある．また，要素となる乱流モデル，風応力モデルについても検討が進んでおり，これらを統合することで研究目的を達成できる見込みである．
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| 今後の研究の推進方策 |
令和3年度に構築・検討を進めた三次元河川流計算モデル，風応力モデル，乱流モデルを統合し，河川洪水流に対する風影響の本格的な評価を推進する．吹送流の三次元構造の時空間発達過程や流下・横断方向の水面勾配等を評価することで，風影響が顕著に現れる条件として風向・風速や継続時間，河道形状の特性等を明らかにする．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
世界的な半導体不足に伴う計算機調達の遅れに伴う物品調達・選定の遅れ
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