豪雪地帯の青森県黒石市歴史的中心商業地を事例に、カグジと呼ばれる町家裏の付属屋+オープンスペースを指す領域の、所有・利用のメカニズムを明らかにすることを目指し、本研究では(1)対象街区全体の長期的な土地所有変遷の動向と、(2)カグジの利用実態を明らかにした。 (1)については、1888年から2020年を分析期間として、期間内に対象6街区に存在した全449筆の登記情報を集計分析し、所有権移転の原因や所有者属性、分合筆の特徴などを明らかにした。(2)については、対象6街区内の物理的境界に関する現地での悉皆調査と、土地所有者へのインタビュー調査から、カグジの使われ方を調査しその特徴を明らかにした。
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