高層建築全体を木造で成立させるのに必要な耐火性能と、部材断面寸法の関係について、難燃処理木材を燃え止まり層に用いた木質構造部材を対象として、以下の成果を得た。(1) 15階建て以上が建築可能となる3時間耐火性能を確保する断面構成の見通しを得た。 (2)燃え止まり層のラミナ方向をラミナ収縮や亀裂が起こりにくい方向とすること、また燃え止まり層に不燃材料相当の難燃処理木材を使用することにより、炭化深さを低減できることを明らかにした。 (3)難燃薬剤量の増加による炭化深さの低減効果は、加熱中に比べて放冷中に大きいことを明らかにし、被覆層の軽量化に寄与する手法の一つとなり得ることを明らかにした。
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