本研究では,上部構造物・杭基礎-飽和地盤系の縮小模型を用いた遠心力載荷実験結果に基づき,飽和地盤の地震時挙動に及ぼすメチルセルロース溶液の粘性の温度依存性による影響を検討した。具体的な知見として,まず乾燥砂の堆積手法(空中落下法),間隙水の通水手法(炭酸ガス・真空置換法)を同一とした場合での飽和地盤模型作成時のデータを整理し,メチルセルロース溶液の濃度と水温,粘度の関係を表す回帰式を構築した。次に遠心力載荷実験を行い,メチルセルロース溶液の濃度が異なる試験体では過剰間隙水圧比応答の上昇過程に違いが見られ,濃度の大きい試験体ほど液状化過程の開始時刻および液状化時刻が遅れる傾向があることを示した。
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