塩化セリウム中でセリウムを用いてチタンから酸素を除去する実験を行った結果、0.01重量%以下の低い濃度まで、チタンから酸素を除去できることが明らかとなった。また、この結果を元に、高温におけるセリウムの酸塩化物(セリウムオキシクロライド)の熱力学データが初めて実験的に得られたことは学術的にも意義が高い。さらに、金属や塩化物の蒸気を用いてチタンから酸素を除去できることも実証し、反応後のチタンに付着した塩化物の除去工程を簡便化できる可能性が示された。本研究成果に基づき、豊富な希土類金属であるセリウムを用いて、酸素を含むチタンスクラップを低コストでリサイクルできるプロセスが開発されることが期待される。
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