カーボンニュートラル達成に向けた製鉄プロセスの抜本的転換(高炉法→電炉法)に向けて、アーク/溶鉄界面の窒素吸収現象についての基礎的測定を実施した。まず、高温炉内に、アーク制御系、光学測定系、試料採取機構等を導入した独自の実験系を構築した。その結果、窒素系活性種がアークの発光領域外にも広がることがわかった。また発光種やアーク温度分布が周囲温度によって異なり、周囲温度が高温の場合の方がむしろ陽極(溶鉄)側でのアークの緊縮が強く働く可能性を示した。このように、本研究で構築した実験系を用いた高温実験の有用性を示すとともに、今後窒素吸収現象の解明に必要な、溶鉄上のアークの基礎的知見を得ることができた。
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