熱電発電は熱を電気に変換する発電方式であり、熱電発電を社会的に普及させることは、エネルギー源を多角化するために社会的に重要なテーマとなる。2010年以降巨大な熱電性能指数を示す物質が次々に発見され産業応用が近づいているが、その物理的起源は一般に明らかになっていない。本研究では、電子論的実験手法を利用することで、Sr/NaドープPbTeの電子構造を実験的に明らかにした。この結果、軽いホールと重いホールが共に電気伝導を担う、高い熱電性能を得るために理想的なバンド構造を形成していることが判明した。こうした電子構造の情報を材料開発時の”地図”とすることで、高効率な熱電材料開発が可能になると考えられる。
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