研究課題/領域番号 |
21K20509
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
畑山 祥吾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 産総研特別研究員 (50910501)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 相変化材料 / 酸化物 / MIS接合 / 非線形性 / セレクタ / 不揮発性メモリ |
研究実績の概要 |
本年度に実施した研究によって以下の知見を得た。 1.デバイス構造の試作を行い、安定的に動作するデバイスの作成プロセス確立に成功した。この構造では接触面積を数μm角まで微細に出来、既にGSTデバイスのメモリ動作(アモルファス→結晶)を確認している。また、測定の手法についても検討を行い、動作速度、OFF電流、スイッチング挙動を評価できる測定環境を整えることが出来た。 2.相変化材料にGSTを用いて、GST/酸化物の積層膜を作成し熱安定性と結晶化挙動を評価した。その結果、TiO2やZrO2などの安定な酸化物との組み合わせであれば熱処理した際にGSTと反応しないことが分かり、GSTの相手材となる酸化物の候補を絞り込むことが出来ている。また、熱処理条件に関しても最適化を行なった。 3.GSTの相手材となる酸化物に関してバンドギャップ(Eg)測定を行った。測定したEgと文献値を照らし合わせて、報告された値に近いものが得られていることを確認した。 4.相変化材料と酸化物の組み合わせを探索する過程で見出したHf-O-Te系材料が非線形な電流-電圧特性を示し、セレクタとして機能し得ることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属機関を変更した初年度にも関わらず、既にデバイス作成プロセスの確立に成功しており、加えてデバイス化の候補となる相変化材料と酸化物の組み合わせ候補も見出しているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、デバイス特性の評価を中心に研究を展開する計画である。具体的には、GSTをベースとして、積層する酸化物の種類・厚さと動作特性の相関について調査する。また、MIS接合形成によって発現する伝導機構、GSTを相変化させた際のデバイス特性変化についても評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本科研費の配賦が年度後半であったことに加えて、年度内に納入できない物品が多いこともあり差額分を翌年度に請求することとなった。2022年度は、マニュアルプローバーの購入による測定環境の構築とターゲット等の消耗品の購入に使用する計画である。
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