研究課題
令和3年度第57回日本移植学会(東京)、第47回日本臓器保存生物医学会(東京)において、以下の概要を発表した。心停止ドナーは臓器提供者不足を解決する一つの方法である。心停止したブタに体外式人工肺(VA-ECMO)を装着し、さらに摘出後、4時間の単純冷却保存および機械灌流保存を行った。<対象と方法>20kgの雑種ブタをKCLで心停止させた。心停止45分後に、22℃の送血温でECMOを1時間装着した。その後、単純冷却あるいは低温機械灌流保存を4時間行い、ドナー血液を用いたisolated liver reperfusion systemで2時間再灌流を行い評価した。<結果>ECMO後、両群のAST、LDHに著しい増加は見られなかった。保存後、自己血による再灌流1時間後および2時間後では、AST、LDHともに低温機械灌流保存群のほうが低値であった。<結語>心停止後のECMOおよび機械灌流保存の組み合わせは、良好な臓器保存状態を維持するために有用であることが示唆された。さらに、前年度の課題であった機械灌流保存における臓器の移植前評価として、上記モデルにおいて時空間的な温度分布およびICGを用いた近赤外蛍光計測を行い、虚血障害の評価を行った。令和4年度第58回日本移植学会(愛知)、第34回代用臓器・再生医学研究会総会/日本バイオマテリアル学会北海道ブロック第6回研究科(オンライン開催)においてこのことを発表した。上記の2群に加え、心停止45分後にECMOを装着せず4時間の低温機械灌流を行った群の3群を比較し、ECMOおよび機械灌流保存の組み合わせが良好な臓器保存状態を維持するために有用であることが示唆され、Transplantation Proceedings誌(2023.04)に発表した。
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Transplantation Proceedings
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10.1016/j.transproceed.2023.03.013