本研究の目的は、3次元組織体内部まで酸素や栄養分を十分に供給できるゼラチンハイドロゲル粒子を作製し、生体内の組織環境を模倣することである。特に、ゼラチン粒子の徐放化システムも導入することで、生体内での成長因子の分泌の模倣まで試みた。はじめに、粒子に親水性のタンパク質を含浸させることで粒子の分解に依存して薬物が放出されることが分かった。また、そのタンパク質を含む粒子に対してさらに疎水性薬物を含浸させたところ、各々の薬物の放出スピードが遅くなることを明らかにした。この粒子を3次元組織体内部に組み込んだところ、腫瘍関連遺伝子の発現が増大していることが分かった。
|