研究課題/領域番号 |
21K20518
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | MEMS / 流量センサ / 生分解性 / 埋込み型 / フレキシブル |
研究実績の概要 |
肺癌や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患は世界中で主要な死因となっている。さらに、最近拡大している新型コロナウイルスの感染がその状況を悪化させている。これらの感染症の治療法は現在存在しないが、リスクの高い患者の早期発見と継続的なモニタリングにより、その進行を遅らせることができる。肺の機能は一般的にスパイロメトリーで検査されるが、スパイロメトリーは単点検査であり、患者が定期的に来院する必要があり、費用がかかり非効率的である。従来センサを体内へ埋め込む場合は、使用後にデバイスを回収するにはデバイスを埋め込む時と同様な手術が必要で、負担がかかる。本研究では、呼吸器系のその場連続モニタリングを可能にする、使用後に回収する必要がなく、生分解可能な埋込み型流量センサ素子を開発する。
生分解性埋め込みセンサを作製するには、材料選択とそのデバイス作製技術が課題となっている。2021年度では、生分解性材料を選定し、デバイス作製方法を検証してみた。従来のフレキシブル流量センサによく基板として使用されているポリイミドフィルム上に生分解性金属であるMoの薄膜をスパッタリングで形成し、流量センサを作製できた。作成したデバイスを水に入れ、数日間にかけてMoのセンサ素子がが完全に分解されたことを確認した。
2022年度では、基板を生分解性材料にし、デバイス作製方法を検証した後、その特性を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
想定していた材料でセンサ素子の作製ができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では、基板を生分解性材料にし、デバイス作製方法を検証した後、その特性評価へ進めて行く。評価結果に基づき、流量センサの設計を最適化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、会議がオンライン開催となっている。ゆえに次年度使用額が生じた。生分解性基板上に金属膜の形成に使用するレーザ加工機の購入に使用する予定である。
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