研究課題
研究活動スタート支援
本研究では水に溶ける高分子同士を繋ぎ合わせることでゲルを作製し,電気を印加することによって体積が自在に変化する機能性材料を開発した。体積が変化する仕組みは,電気の印加によって酸化還元反応をゲル内部で発生させ,反応によって生成した化合物が高分子と相互作用する際に,水分子との親和性が変化するために,電気に応答してゲル中へ水が出入りすることに基づく。
機能性材料
本研究では,ゲルを構成する高分子とそれと相互作用する化合物を混ぜることによって,高分子鎖が螺旋状の構造をとることが明らかとなった。さらに,酸化還元反応によって高分子との相互作用の強さが変化するために螺旋構造を壊したり,再構築させたりすることが可能であると示唆された。本研究で開発した高分子を架橋することで作製されるゲルは電気をかけることで体積が変化するという新しい機能性を開拓しただけでなく,高分子鎖が収縮時に秩序正しい螺旋構造をとることを明らかにした点においても学術価値が非常に高いと言える。