| 研究実績の概要 |
本研究では、水田に由来するメタン酸化細菌(Methane-oxidizing bacteria, MOB)の活性を高める方策として、MOBと共同体(コンソーシアム)を形成する従属栄養細菌の機能に着目した。本年度は、イネの根や茎基部に由来し、メタンを唯一の炭素源として継代培養したMOBの集積培養液における従属栄養細菌の群集構造を解析するとともに、これらの従属栄養細菌がメタン酸化に及ぼす影響を明らかにすることを目的として研究を実施した。 集積培養液の菌叢解析の結果、MOBの占める割合は18-45%であり、メタンが唯一の炭素源であるにもかかわらず、従属栄養細菌が高い割合を占めることが明らかとなった。また、群間比較解析(LEfSe)により、Methylomonas属MOBが優占する集積培養液ではFlavobacteriaceae科やCaulobacteraceae科が、Methylocystis属やMethylosinus属MOB が優占する培養液ではChitinophagaceae科やXanthomonadaceae科が多く存在することが明らかとなった。 次に、集積培養液からMOBと共存する従属栄養細菌を分離したところ、Xanthobacteraceae科や Caulobacteraceae科、Comamonadaceae 科、Acetobacteraceae科、Segnochrobactraceae科などに分類される12株の従属栄養細菌を得た。そのうち、系統的に異なる従属栄養細菌分離株について、Methylomonas属MOBと共培養試験を行った結果、うち5株でメタン酸化の促進効果が認められた。以上から、集積培養液に優占するMOBの分類グループによって共存する従属栄養細菌群集が異なること、また、その一部の菌株はメタン酸化を促進する作用を持つことが示された。
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