水田からのメタン排出の削減に向けてメタン酸化細菌の活用が期待される一方で、その単離は数例に留まっており、農業現場での応用利用は進んでいない。その要因のひとつとしてメタン酸化細菌の純粋培養の難しさがある。メタン酸化細菌と従属細菌の分離は非常に困難であり、その純化には集積培養や限界希釈法を繰り返し数ヶ月かかることもある。本研究はそのメタン酸化細菌と従属細菌の強固な結びつきを逆手にとり、菌間相互作用の解明、さらにはイネにおけるメタン生成量の削減と生育促進の実現を目指すものである。本研究で得られる成果はメタン酸化細菌の農業分野での安定した実用化に繋がり、農業生産の持続的な発展につながるものと考える。
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