イネのひとめぼれ系統は、抵抗性遺伝子であるPii遺伝子を持ち、イネいもち病菌に対し抵抗性を示す。しかし、Pii遺伝子によって抵抗性反応が活性化される際、どの様な下流遺伝子が関与しているのかは未だ分かっていない。 本研究課題では、Pii遺伝子によって活性化される抵抗性反応において、重要と考えられる遺伝子の発現制御関係を特定した。具体的には、遺伝子の発現量を対象とするeQTL解析を行い、Pii遺伝子による抵抗性反応が活性化された際に、イネの持つWRKY型転写因子の1つであるOsWRKY77が10個の抵抗性に関与する遺伝子の発現を制御している事が明らかになった。
|