研究課題/領域番号 |
21K20600
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
小河 澄香 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (10816250)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 菌根菌 / セシウム / 物質動態 / 溶出 |
研究実績の概要 |
本研究は、樹木の放射性Cs集積を抑制する技術を開発するために、樹木のCs吸収に影響する菌根菌のCs溶出機能を明らかにすることを目的としている。本年度は、昨年度分離に成功した菌株を用いて、固定態Csの可溶化能に対する指標の一つであるCs吸収機能についての調査を行った。
菌根菌13種16株、腐生菌8種8株を、改変川合・小川培地を100 ml含む200 ml容三角フラスコにてにて室温及び暗黒条件下で8週間培養し、培養後の菌体中のCs量をICP-MSで測定した。その結果、ツチグリ、ハマニセショウロといった一部の菌根菌に高いCs吸収が認められた。腐生菌では、ハタケシメジに高いCs吸収が認められた。
今後は、昨年度に行ったCAS試験においてAl及びFe可溶化能が認められ、且つCs吸収能力が高かったツチグリ属、ニセショウロ属、ヌメリイグチ属の菌株に焦点を当て、Cs溶出に関与する物質の特定を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、昨年度確立した菌根菌の及び腐生菌の菌株のCs吸収能を調査した。現在、これら菌株を用いてCsの可溶化に関与する物質の特定を行っている。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、長期間出勤できなかったため、当初の計画からはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
固定態Csの可溶化に関与している物質を探索するため、菌株のCs吸収能およびCAS試験により得られた指標をもとに、菌株が分泌する有機酸等の酸性物質を中心にGC-MSを用いて同定する。同定された物質については分泌量の変化も調査する。さらに、可溶化に関与している物質を特定するため、同定された物質をバーミキュライト鉱物に固定したCsに作用させ、遊離するCs量を調査する。これらにより、樹木のCs吸収に影響する菌根菌のCs溶出機能を明らかにする
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、出勤できない期間が長く、当初の予定通り実験を遂行することが困難だったため。
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