本研究課題において、Xタンパク質はCAdV2のみならず、CAdV1やコウモリアデノウイルスなどの一部のマストアデノウイルスに保存されたタンパク質であることがわかった。このことから、Xタンパク質についての知見を集めることはCAdV2のみならず、Xタンパク質をもつ他のアデノウイルスの病原性の解析やワクチン開発などにもつながると考えられる。 X欠損ウイルスに比べ、野生型ウイルスは細胞死を誘導し、細胞外に放出されるウイルス量が多かった。この知見は、細胞傷害性を上昇させるとともに腫瘍内の伝播能力を向上させた腫瘍溶解性アデノウイルスの作製や効率的なベクターの産生などにもつながると考えられる。
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