研究課題/領域番号 |
21K20686
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯田 円 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (40815437)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 球脊髄性筋萎縮症 / シングルセル解析 / オリゴデンドロサイト / イオンチャネル / シナプス / 興奮毒性 |
研究成果の概要 |
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)はアンドロゲン受容体(AR)のCAGリピート伸長による進行性の遺伝性神経筋疾患である。本研究課題では、 シングルセル解析を用いてSBMAマウスモデル(AR-97Q)の脊髄における細胞種ごとの遺伝子発現情報を発症前から経時的(3、6、9、13週齢)に取得し、SBMAの早期病態解明を目指した。野生型マウスとAR-97Qマウスを比較すると、発症前の3週齢から特にオリゴデンドロサイトでの変化が大きく、シナプスやイオンチャネル活性に関連する遺伝子の上昇をみとめた。細胞の興奮毒性がSBMAの病態に関与しておりそれが治療標的となることが示唆された。
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自由記述の分野 |
神経内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)はそのアンドロゲン依存性病態に基づき、治療薬として抗アンドロゲン療法であるリュープロレリン酢酸塩が2017年に薬事承認されたが臨床における効果は限定的である。また性機能抑制などの副作用から、発症前のSBMAキャリア男性への使用は困難であり、新たな治療薬開発が望まれている。本研究によりSBMAの発症前にニューロンよりもオリゴデンドロサイトにおいて遺伝子発現変化が大きいことが判明し、従来は知られていなかった病態が明らかとなった。オリゴデンドロサイトの異常が運動ニューロンの変性の起始に強く関わっていると考えられ、疾患に対する新たな治療アプローチを提案することができた。
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