パーキンソン病(PD)の進展様式として、腸管に出現した凝集α-synが迷走神経を介して中枢神経へと伝播していく仮説が主流である。しかしPD 剖検脳の検討から全てのPDが上記仮説の通りに拡がるわけではない。本研究では末梢免疫細胞を介したα-synの新たな進展経路の可能性を検討した。結果としては、凝集α-synを貪食した末梢血単核細胞(主にCD11b陽性細胞)は全身炎症下にて脳内に侵入することはできるが、それを起点にα-syn病理が進展していくことはなかった。上記結果から末梢CD11b陽性細胞は凝集α-synを分解する能力が高く、凝集α-synの進展抑制につながる新たな治療開発の可能性がある。
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