創薬研究や再生医療に資する新たな肝細胞源として、肝臓オルガノイドが期待されている。肝臓オルガノイドは長期的な増殖を示す一方で、その肝機能は著しく低い。そこで、肝臓オルガノイドの機能向上が可能な培養条件の探索を行った。本研究では、汎用性を考慮し二次元培養での高機能化を試みた。液性因子を添加した培地を段階的に作用させ、二次元培養において高機能な肝細胞(Org-HEPs)の作製に成功した 。Org-HEPsにおけるalbumin遺伝子の発現量は、肝臓オルガノイドの約875倍まで増加した。また、薬物代謝酵素活性はヒト肝細胞と同等であった。以上より、創薬応用への応用が可能であることが示唆された。
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