研究課題
ペプチドやタンパク質が溶液状態からアミロイド繊維化する過程において、液滴形成を経由する液液相分離が提唱されている。液滴内では、分子間での弱い相互作用により濃縮された繊維体の前状態であると明らかにされつつあるが、未だに十分な解明がされていない。本研究では、液滴形成を伴う濃縮に関わる化学構造の誘導化を通して、凝集化過程を解明することを目的とした。昨年度では、アミロイド化することが知られているタンパク質(例えば、FUS、TDP-43やアミリンなど)の凝集配列に由来するペプチドに種々の非天然構造を組み入れた誘導体の合成を進めていた。本年度では、これらの単離・精製を完了させ、合成物をチオフラビンTアッセイや、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)等を駆使し、物性評価を進めた。その結果、疎水性官能基が凝集化に大きく影響を与えることを見出し、適度な凝集性を有する自己会合性ペプチドを創製することができた。アミロイド様の物性を示した当該ペプチドの結晶化に成功し、分子間での疎水性相互作用によってペプチドが集積しうることがX線構造解析によっても示唆された。
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Sensors and Actuators B: Chemical
巻: 371 ページ: 132475~132475
10.1016/j.snb.2022.132475
https://www.wakayama-med.ac.jp/pharm/yakuhinkagaku/