本研究の成果として、P-gpを介した相互作用によって心筋細胞内へのピモジドの蓄積量が増加することで、hERG阻害作用が増強される可能性が示唆された。ピモジドに限らずhERG阻害薬を有する薬物においては、同様のメカニズムによってQT延長や致死的不整脈発症の原因のひとつになる可能性が考えられた。薬物動態学的相互作用を検討する際には、血中濃度上昇を伴うsystemicなDDIのみならず、組織分布過程におけるトランスポーターを介したLocal-DDIについても考慮する必要性があるものと考えられた。今回の我々の研究成果は今後の医薬品開発や患者の医療安全に貢献できるものと思われる。
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