がん細胞は、他の細胞との様々な相互作用によりがん細胞が生存しやすい微小環境を作っている。本研究は、このがん微小環境において、がん細胞型アミノ酸トランスポーターLAT1(SLC7A5)を阻害することで、細胞障害性T細胞の腫瘍への浸潤が増加し、かつ免疫抑制性細胞が低下して、これががん免疫増強に繋がりLAT1阻害薬の抗腫瘍効果に寄与することを示した。がん細胞に発現するLAT1を阻害することで、がん細胞の全般的タンパク質合成抑制が生じ、がん免疫抑制的ながん微小環境形成に預かるサイトカインの分泌が低下することがその背景にあるものと示唆された。
|