細胞接着分子CLDND1の発現低下は、血液脳関門の破綻を通じて脳卒中の発症および悪化に関与していることが考えられる。脳卒中の危険因子の1つに脂質異常症が知られている。これまで、コレステロールやその中間代謝物を含むコレステロール類によるCLDND1の転写調節機構についての報告はなく、詳細なメカニズムは不明である。本研究では、コレステロール合成経路の中間代謝物が及ぼすCLDND1の発現調節に対する影響を評価し、CLDND1の発現調節に対してゲラニルゲラニルピロリン酸の関与を明らかにした。この研究結果より、脳出血だけでなく脳卒中の予後を改善する治療への応用などに新しい展開をもたらすものと期待する。
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