研究課題
フラビウイルスを類縁ながら多様性を示すウイルスモデルとして、特に性状(宿主動物/媒介動物/臨床症状)が異なるウイルス70種程度を用いた。特に、輸送が困難な厚生労働大臣が定める3種、4種病原体に属するフラビウイルスに関してはDNAフラグメントから簡便に感染性ウイルスを作る手法により作成した。世界で病原性を示すフラビウイルスをほぼ網羅することに成功した。この類縁ウイルスの増殖に関連する機能冗長性の高いHsp70関連シャペロンの包括的スクリーニングのために、蛍光蛋白質融合型PQCのアレイド(Arrayed) ライブラリー、具体的にはGFP融合型のHsp70(14種)、DnaJ(50種)NEF(15種)を個別に発現するプラスミドを細胞を樹立した。樹立されたシャペロン/コシャペロン指示細胞群に各々フラビウイルスを感染させ、ウイルス感染によるシャペロン群の細胞内局在変動、特にウイルス増殖部位(蛋白合成、RNA複製や粒子形成)への局在変動を経時的に追跡した。同属のフラビウイルスを感染させた結果、アミノ酸、および構造レベルにおいて、非常に類似性の高いコシャペロン群においても、ウイルス種特異的な凝集をすることを見出した。本研究により、Hsp70シャペロンネットワークの冗長性や特異性を詳細に解析できるシステムのコンセプトが実証された。また今後の創薬研究に資する病原フラビウイルスコレクションを樹立した。
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