研究課題/領域番号 |
21K20767
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
志和 希 国立感染症研究所, 感染病理部, 研究員 (40902416)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | SARS-CoV-2 / 動物モデル / 後遺症(Long COVID) |
研究成果の概要 |
新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long COVID)の1つの症状として慢性的な呼吸機能障害が報告されているが、その病態については不明な点が多い。本研究は、これまでに確立したSARS-CoV-2感染小動物モデルを用いて、細気管支のクラブ細胞がSARS-CoV-2感染動物の肺における主要な初期感染・複製部位であることを病理学的解析により明らかにした。クラブ細胞は、肺胞傷害後にガス交換を担う肺胞上皮細胞へと分化する組織幹細胞であることから、SARS-CoV-2がこのクラブ細胞に感染することで肺機能の再生に影響する可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
ウイルス学、感染病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SARS-CoV-2感染が全世界で拡大を続ける今日、約3割の患者に感染後1ヶ月経過しても様々なLong COVIDの症状が報告されている。幅広い年齢層で慢性的な呼吸機能障害の症状を訴える患者が報告されているにも関わらず、その病態は未だ解明されていないため患者の治療は対症療法に頼らざるをえない。また、研究報告数もワクチンや治療薬開発と比較して少ないのが現状である。動物種を超えてSARS-CoV-2の感染および複製部位を明らかにし、組織幹細胞の発現動態にも着目した本研究は、SARS-CoV-2の感染動態を理解する上で有用であり、Long COVIDの治療法開発における基盤的研究と位置づけられる。
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