最難治がんの膵がんは根治切除後の再発率が高く、術後再発予防のための新規治療法の開発が急務である。術後にミクロレベルで残存する腫瘍細胞を排除するには、長期にわたり全身性の抗腫瘍効果が期待できるがん免疫療法が有望である。腫瘍に自然免疫賦活剤を直接注入するin situワクチン療法(ISV: In Situ Vaccine)は腫瘍自身をワクチン抗原のソースとして利用し、局所療法で副作用を抑えつつ全身性の抗腫瘍免疫を誘導できるという利点を有する。本研究は、膵がんモデルマウスで摘出前の腫瘍に新規TLR9リガンドK3-SPGの術前ISVを施行し、術後の再発抑制効果について明らかにする。
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