本研究では、尿路上皮癌における抗癌剤耐性後の代謝リプログラミング機構を明らかにした。UC野生株、CDDP耐性株、GEM耐性株の3細胞における水溶性代謝産物の網羅的定量解析を行った。結果、GEM耐性株の代謝機構はCDDP耐性/野生株と異なり、1)解糖系(ピルビン酸/乳酸)代謝産物の産生量が有意に高いこと、2)ペントースリン酸回路の主経路であるピリミジン代謝経路に関連する代謝産物量が高いこと、3)α-ケトグルタル酸、イソクエン酸、クエン酸の産生量が有意に高く、クエン酸回路(TCA cycle)が一部「逆行性」に駆動していること(reductive TCA cycle)を確認した。
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