がんの分子サブタイプをがんの病理組織上で詳細に解析した検討は、乳がんの他にはほとんどない。本研究では、がん関連線維芽細胞を含むがん間質(がん組織内の非がん細胞成分)ががん細胞の分子サブタイプを制御する可能性を鑑み、患者がん組織内における間質とがん胞巣の関連に着目した。研究者は特に、肺がん組織切片上でのこれらの空間的分布を踏まえたがん組織の定量的な解析という新しい枠組みを作り、その臨床的な意義を明らかにした。これは目標としていたがんの分子サブタイプの制御機構の解析の重要な手掛かりとなる。さらには、本研究で得られた病理組織の解析法の知見は、がん研究のより広い分野に適応可能である。
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