正常胃上皮幹細胞を標識できる遺伝子改変マウスであるIqgap3マウスと、胃癌の発生に関連するRUNX3のmutationを持つ RUNX3(R122C)ノックインマウスを交配し、Iqgap3-RUNX3(R122C)ノックインマウスを作成した。このマウスを用いて様々な解析を行った。解析により、RUNX3(R122C)変異は細胞周期の増殖状態(G1)と静止状態(G0)のどちらに入るかを決定する制限点 (Restriction point) の制御を乱し、幹細胞の増殖 (self-renewal)を促す一方で、その分化(differentiation)を抑制し、組織学的に前癌状態を形成していた。
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