研究計画に掲げていた2つの研究のうち「①タンパク質Xの同定と検証」については、2022年11月CancerMedicine誌に研究代表者を筆頭著者とする” A large-scale targeted proteomics of plasma extracellular vesicles shows utility for prognosis prediction subtyping in colorectal cancer”が掲載され、、査読のある学術誌に論文として成果を報告した。これにより①については達成したと考える。 「②タンパク質群Aのバイオマーカーとしての可能性の探索」については、京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンターからの試料提供を想定し、利用に向けて倫理委員会への申請を準備していた。しかし、高い品質を保証するための適切な採取と保管方法、臨床情報の管理、施設や物品などの経費負担から、試料提供時に必要な課金の大幅な値上げが検討されていることがわかった。解析対象疾患や試料数を拡大することを前提としていたため、資料提供元については再検討が必要となった。そこで、すでに京都大学医学部附属病院消化管外科で保管していた血液や手術摘出標本の一部を利用することで、研究継続が可能どうかについて検討する必要が生じた。保管試料の多くは手術摘出標本であったため、血漿EVsではなく組織や培養細胞による比較・検討が必要になる可能性も考慮し、予備実験を行った。②については、当初予定していた研究の変更を余儀なくされたため、進捗については評価が難しいと判断した。
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