本研究は、胆道癌における新規治療ターゲットとしてLPA受容体シグナルの可能性を解明することを目的とした。胆道癌進展におけるLPA-LPA受容体シグナルの重要性を明らかにし、ATXの制御による癌抑制効果を証明することで、胆道癌治療法の新規開発と患者の予後改善に大きな影響を与える可能性があると考えられた。ATX阻害剤は炎症性疾患を中心とする他の疾患ですでに臨床試験が組まれている薬剤が複数あるため、胆道癌治療薬へのDrug repositioningが可能である。本研究から派生したpNENへの効果も今後期待され、この治療戦略は胆膵領域に広く貢献することが期待される。
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