研究課題
研究活動スタート支援
AS1842856によるCAFsにおけるFOXO1の抑制は、CAFsの腫瘍促進能シグナルであるTGF-β, SDF-1 などのサイトカインの分泌を抑制することをin vitroで示すことができた。またATAC-seqやメタボローム解析によりFOXO1の抑制に関与する転写因子やシグナルの候補を絞ることができた。しかしながら、in vivo実験におけるがん細胞とCAFsの共移植実験では腫瘍内のFOXO1のみ抑制することは困難であり、腫瘍促進能を抑制することを示唆する結果を見出すことはできなかった。
細胞分子生物学
今回の研究ではFOXO1の機能が抑制されたCAFsにおいて、がん促進性サイトカインなどの産生能が低下することが示され、CAFsのがん促進能も失われていることがin vitroでは示されたが、in vivoにおけるがん細胞との共移植では腫瘍増殖を制御する結果とはならず、今後さらなる動物実験モデルの開発や他因子との関連、シグナルについての探索が急務である。FOXO1抑制に焦点を絞りCAFsに細胞死を誘導する新規CAF標的治療法を動物モデルで開発する点で、国内外の従来の研究と比較し新規性および独創性が高く、より効果的な治療薬の開発が期待される。