多系統萎縮症における脱髄機序を解明するため、ギャップ結合を形成するコネキシン蛋白群に着目した。多系統萎縮症剖検15例を対象とし、リン酸化αシヌクレインの蓄積がみとめられた小脳入力線維におけるコネキシンを評価した。Stage I(早期)、Stage II(中期)、Stage III(末期)に病変を病期分類し、Stage IでCx32がオリゴデンドロサイトの細胞膜から消失し、細胞質内に凝集することを見出した。Cx43はstage Iでのみ発現低下し、stage IIやstage IIIでは発現亢進していた。多系統萎縮症における早期からのコネキシン蛋白の発現異常が脱髄に寄与する可能性が示唆された。
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