研究課題
研究代表者は本研究において,神経を介した免疫系制御機構として知られるコリン作動性抗炎症経路 (CAP)の活性化が急性腎障害を軽減させる先行研究(Inoue et al: J Clin Invest 2016)に着想を得て,中心的役割を担うとされるマクロファージやアセチルコリン受容体に着目し腎臓保護作用を発揮するメカニズムの解明を目指した.既報の研究にてCAPの活性化にはマクロファージ上に発現するα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)が重要であることがin vitroの実験で報告されているものの,in vivoでの証明はなされていない.本研究ではマクロファージ特異的にアセチルコリン受容体を欠損させたマウス(LysM-Cre:α7floxマウス)を作成し,敗血症誘発時のin vivoでの全身炎症・腎障害につき評価した.その結果より,障害早期にはマクロファージのアセチルコリン受容体が不可欠であることを示した.さらに,脾臓細胞のシングルセルRNA-sequencingを行い,マクロファージ以外にもアセチルコリン受容体シグナルを受ける細胞・遺伝子があるかを網羅的に解析した.解析結果から,脾臓のマクロファージ同士が細胞間相互作用を有し抗炎症効果をもたらしうることを新たに同定した.
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