急性腎障害は,様々な原因により発症し生命予後に関わりうる重篤な病態であるにも関わらず,確立した治療法はなくその治療は対症療法にとどまる.関節リウマチや炎症性腸疾患などへの臨床応用が期待されている迷走神経刺激が,急性腎障害を軽減するということが動物モデルでは立証されつつあるものの,その詳細なメカニズムは未だ明らかではない.本研究にて,アセチルコリン刺激の受取手としてのマクロファージの重要性やアセチルコリン刺激がマクロファージ同士の細胞間相互作用が誘導することを見出した.これらは急性腎障害のメカニズム解明や神経系を介した臓器保護作用メカニズムの解明に新たな見解を与えることができたと考える.
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