研究課題/領域番号 |
21K20880
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菅沼 広樹 順天堂大学, 医学部, 助教 (60568004)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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キーワード | オキシリピン |
研究実績の概要 |
申請者らは、アデレード大学のProf Robert Gibsonらが開発した乾燥濾紙血(PUFAcoat card)法を用いることで少量の血液(約20μL)を使用し、オキシリピンを網羅的に測定できる技術を使用し研究を行ってきた。しかし、本研究のような肺組織を用いた測定には適応できなかったため、新たな測定方法の導入を行った。 ラットの肺を約100mg採取し、液体窒素で極低温に凍結し、ステンレス片とともに振盪することで凍結粉砕を行った。粉砕した試料にメタノールを加え撹拌することで粗抽出をおこなった。試料の濃縮と清浄化を目的に固相抽出(solid-phase extraction)カートリッジによる再抽出をおこなった。再抽出した試料はLC-MS/MSを使用しオキシリピンを網羅的に解析した。今回の測定方法では、リノール酸由来8種類、アラキドン酸由来42種類、αリノレイン酸由来2種類、エイコサペンタエン酸由来8種類、DHA由来30種類のオキシリピンが一斉に測定可能となった。また、固相抽出を行うことにより肺組織に含まれるオキシリピンを濃縮することにより、極微量のオキシリピンも測定可能となった。 現在は肺組織中のオキシリピンの抽出が完了し、LC-MS/MSで測定したものを解析中である。 慢性肺疾患モデルとして高濃度酸素負荷ラットの作製を行った。コントロールとして一般餌を使用したラットの肺組織中のオキシリピンを測定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オキシリピンを測定するためのスタンダードの導入に時間を要するため、当初の計画より遅れている。また、機械トラブルによる測定不能時期があったため、測定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
慢性肺疾患モデル動物が使用可能となっているため、肺組織におけるオキシリピンを測定する予定である。また、脂質栄養による影響も検討予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により試薬等の調達に時間を必要としたため、計画通りに研究が進まなかった、そのため科研費の期間を延長したことにより次年度の使用額が生じている。
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