研究課題
国際的に内視鏡検査精度が向上する一方で、短期間での検査間隔における急速発育癌の発生に関わる分子学的背景は未だ不透明である。人工知能(AI)を用いた大腸内視鏡診断支援システムは高精度かつリアルタイムでの病理診断予測を可能とした革新的な新規ツールの位置づけにあるが、急速発育癌への応用例はない。本研究では、前癌病変に対するAI診断の基礎的研究を完成し、バイオマーカー、遺伝子を含めた急速発育癌の全貌を解明することである。令和3年度、大腸内視鏡検査を施行し病理組織学的にadenocarcinomaと診断し得た症例のうち前回の検査から半年~5年以内に発見された大腸癌をInterval cancerとして解析を行った。評価項目として各病変の部位、形態、検査期間、病理像とし、Interval cancerの検証を行った。Interval cancerの中には右側結腸のHP、SSA/Pから急速発育した症例も散見されていた。さらに大腸腫瘍診断としてコンピューター自動診断システムにて内視鏡画像から300種類の特微量を自動抽出し、病理診断を含めリアルタイムで行った。AI診断による病理との対比を行うことで多方面にInterval cancerの実態を調査した。また、内視鏡診断はエキスパートと初学者との技術的な差が生まれやすい。大腸腫瘍に対する治療法を検討する上で、病変を切除することなく病理診断をAIで正確に予測することは重要となる。大腸病変の検出に関してはAIを用いることで大腸内視鏡検査の質(Quality Indicator)の向上ににつながる可能性が考えられた。令和4年度、これまでの結果に対する組織学的観点からの追加評価、データ整理及び解析作業を行った。
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