研究課題
2022年度は、原発性アルドステロン症計29症例(アルドステロン産生腺腫19症例、特発性アルドステロン症10症例)の副腎静脈血および末梢血のメタボローム解析を実施した。メタボローム解析に関して、副腎静脈血の解析は初めてであったが特段の問題なくメタボロームの測定は可能であり、アルドステロン産生腺腫灌流域、非腫瘍灌流域の両方の副腎静脈血を解析した。今回の解析では、脂質や低分子化合物を中心とする628個の測定項目のうち、測定可能域のデータが得られ、かつ、病型間での有意差がみられた項目は、副腎静脈血で171項目であった。そのうち両群間で末梢血中の差異がみられた分子は47項目に絞られ、次に各項目につき副腎静脈血と末梢血中濃度の比較を行った。病型間比較で矛盾のない副腎静脈血および末梢血中濃度(どちらも高値あるいは低値)を示した項目は30項目程度であり、これらが原発性アルドステロン症の新規病型診断マーカーの候補分子であると判断した。続いて、症例数の増加、他条件の追加、サブグループでの解析を予定したが、世界情勢の影響を受けてメタボローム解析に使用するMxP Quant 500キットの価格高騰があり、今年度の測定解析は上記に留まった。そのため、一般住民コホートおよびコントロール血漿(NIST SRM 1950)の定量値も参照し、各項目の原発性アルドステロン症への特異性についても検討した。今後、上記病型診断マーカー候補分子の絞り込み、診断能検証を予定している。
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