研究課題
アルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとする神経変性疾患において、前駆期・極早期といったごく早期に検出できることが望ましいと考えられるが、早期段階における症状は文字通り軽微であるため、それ自体で病院を受診することはまず期待できず、一般老年人口の中で誰がちょうど前駆期に該当するのか拾い上げが難しいという問題がある。これに対して、web上(含スマートフォン)での早期検出を目的としたアプリケーションを用意し、幅広い人に利用してもらうことで解決できるのではないかと期待できる。このために、『所見を撮影したビデオ動画に対して(モーションキャプチャの代用として)姿勢推定ライブラリを用いることによる、神経所見の自動解析手法』を開発することを本研究では目的とした。まず動画解析の対象となる動画サンプルのデータ取得を開始し、対象被験者は当初の計画通り、脳にアミロイド蓄積が開始しているが認知機能低下は明らかではない「プレクリニカルアルツハイマー病 (AD)」とした。また取得対象の動画として、前後方向の通常歩行に加えて、パーキンソン病患者に対する神経診察で頻用されるUPDRS・Motorに関する診察所作についても動画撮影を行うことにした。サンプルデータの収集を継続しつつ、一次評価を行った。また、歩行以外にモバイルアプリなどweb入力形式に落とし込みうる検査項目として、認知機能を検出する時計描画テスト(CDT)に着目し、大規模なコホート研究で得られている画像データを用いて、メモリークリニックの患者など比較的に背景が揃った集団の中ではなく、ヘテロな背景を持つ集団の中での深層学習による予測モデルを作成し論文発表した。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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