研究課題
研究活動スタート支援
青色光を感知できる物質であるChR2が迷走神経に存在しているマウスの迷走神経に、アップコンバージョンナノ粒子(近赤外光を受け取ると青色光を出す性質を持っている)を局所投与し、その後近赤外光レーザーを迷走神経に直接照射した。心拍数や呼吸数などの変化を観察したところ、この操作で迷走神経が興奮している証拠が得られた。
腎臓内科学
今回の成果は、体の外から近赤外光を当てることによって、迷走神経を刺激することができることを示唆している。世界人口全体の約1割が罹患していると考えられている慢性腎臓病は、進行すると末期腎不全に至り透析や腎移植を必要とするが、その進展予防を目指した現在の治療戦略は限定的である。今回の成果は、迷走神経刺激が慢性腎臓病に有効かどうかを検証するための、第一歩である。