本研究においてFFR>0.80であってもハイリスクである冠動脈病変が存在し、その予後が有意に悪いことが証明されれば、NIRSを用いてFFR>0.80であった冠動脈病変を持つACS患者のさらなるリスク層別化が可能となり、2次予防を強化することでハイリスクプラークを持つ患者の予後をさらに改善させることが可能となる。また、本研究で得られる知見は、FFR>0.80であった冠動脈病変に対する経皮的冠動脈形成術やPCSK9阻害薬・抗炎症薬などの薬物療法の効果を評価するランダム化比較試験を計画する上での貴重な基礎データとして、患者・循環器内科のコミュニティにとって非常に有意義なものとなると考えられる。
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