研究課題/領域番号 |
21K20909
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
杉本 哲 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10912602)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 肥満 / ミグリトール / 肝臓 / 白色脂肪 |
研究実績の概要 |
4週令のC57BL6雄性マウスを通常食を8週間与える群(NC. n=5)、高脂肪食を8週間与える群(HF.n=5)と高脂肪食にミグリトールを混合したものを8週間与える群(HFM. n=6)に分け飼育した。最終的にHFM群はHF群に比較して有意に体重増加が抑制され、また内臓脂肪量・皮下脂肪量が有意に低下した。肝臓重量についてはNC群、HF群とHFM群の3群間で差は認めなかった。HF群とHFM群の間で、肝臓のH&E染色にて脂肪滴量に明らかな差は認めなかった。qPCR法にて肝臓の炎症関連遺伝子(F4/80、MCP1、TNFaなど)の遺伝子発現量はHF群がNC群に比べて増加した。肝臓の炎症関連遺伝子の発現量は、HFM群がHF群に比較して低い傾向にあるも有意な差は認めなかった。
ミグリトール投薬は高脂肪食負荷による体重・内臓脂肪量増加の抑制を導き、研究代表者の先行の基礎研究の結果と一致し、再現性が得られた。肝臓について8週間の高脂肪食負荷によって一定レベルの炎症惹起は得られたと考えるが、重量が通常食と比べて差がないことから、肝臓への脂肪蓄積と炎症惹起が不十分である可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19による研究活動制限のため遅れている
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今後の研究の推進方策 |
高脂肪食の8週間の負荷では肝臓への脂質蓄積が不十分であった可能性があり、高脂肪食負荷の期間延長もしくは特殊食負荷の必要性があると考えられた。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19による研究活動制限の影響で、研究が当初の予定通り進行しなかった。 高脂肪食の負荷期間を延長、もしくは特殊食を与えたマウスへのミグリトール投薬の実験を考慮する。
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