本研究では、心不全患者における身体活動や気温の変化に伴う血圧変動の病的意義、心機能との関連の一部を明らかにした。心不全患者において、身体活動や気温変化による血圧の急激な上昇が、心機能が保たれた心不全患者(HFpEF)においても同様に病的意義を持つことが示唆され、一般診療においてこれらの血圧変動指標を評価することで心不全もしくは心機能低下のスクリーニングにも有用である可能性が示唆された。本研究の結果より、居住環境、室温の調整による心不全増悪の予防や心臓リハビリの個別最適化についての新たな研究や従来の薬物治療とは異なる新たな視点からの心不全への治療介入研究の可能性が広がったと考える。
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