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2023 年度 実績報告書

NLRP1変異による自己炎症の病態機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K20912
研究機関順天堂大学

研究代表者

安東 泰希  順天堂大学, 医学部, 助手 (10912644)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2024-03-31
キーワードインフラマソーム / NLRP1 / 肝臓線維化
研究実績の概要

本研究の目的は、肝硬変を伴う希少疾患患者から同定されたNLRP1点変異P1214Lが肝細胞におけるNLRP1インフラマソームの活性化を亢進させて、肝硬変を引き起こす病態機序を解明することである。DPP9はNLRP1に結合してNLRP1インフラマソームの活性化を抑制するが、この点変異はDPP9とNLRP1の結合を阻害するため、DPP9による抑制が解除されインフラマソームが異常活性化することがインビトロ実験で確認されている。また、患者の肝細胞でNLRP1インフラマソームが活性化していること、肝細胞におけるIL-18・IL-1b(特にIL-18)の産生が亢進することも確認されている。しかし、NLRP1-P1214Lを肝細胞特異的に発現させたマウスを長期間観察しても肝機能障害や肝臓線維化は認められず、肝細胞においてNLRP1インフラマソームが活性化している所見は認められなかった。そこで、肝細胞障害を誘導する種々の薬剤を投与したが、この変異マウスとコントロールマウスの間で有意な差は認められなかった。何らかの感染が肝機能障害の引き金となり、NLRP1-P1214L変異によるインフラマソーム活性化を誘導する可能性があるが、この仮説をマウスモデルで証明するには至っていない。また、肝細胞におけるインフラマソームの活性化が肝臓線維化を誘導する機序を解明するために、NLRP1インフラマソームの粒子を回収し、それを他の細胞株に投与すると、インフラマソームの活性化が伝搬する可能性を示唆する結果が得られた。しかし、NLRP1インフラマソームの粒子が膠細胞を活性化することで線維化が誘導されるか否かは今後の更なる検討を要する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Polyarteritis nodosa diagnosed in a young male after COVID-19 vaccine: A case report2023

    • 著者名/発表者名
      Makiyama Ayako、Abe Yoshiyuki、Furusawa Hoshiko、Kogami Masahiro、Ando Taiki、Tada Kurisu、Onimaru Mitsuho、Ishizu Akihiro、Yamaji Ken、Tamura Naoto
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology Case Reports

      巻: 8 ページ: 125~132

    • DOI

      10.1093/mrcr/rxad037

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A case of cryopyrin-associated periodic syndrome due to somatic mosaic mutation complicated with recurrent circinate erythematous psoriasis2023

    • 著者名/発表者名
      Ando Taiki、Abe Yoshiyuki、Yamaji Ken、Nishikomori Ryuta、Tamura Naoto
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology Case Reports

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1093/mrcr/rxad067

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] SLE合併妊娠 当院におけるヒドロキシクロロキンのSLE合併妊娠に対する有効性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      安東 泰希 , 安倍 能之 , 竹内 幹 , 小神 昌寛 , 牧山 彩子 , 多田 久里守 , 山路 健 , 田村 直人
    • 学会等名
      第67回日本リウマチ学会総会・学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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