肝硬変を伴う希少疾患患者から同定されたNLRP1点変異が病態を引き起こすメカニズムの解明を試みた。患者由来の肝細胞株は恒常的にNLRP1インフラマソームを活性化させることを明らかにしたが、肝臓線維化に至る機序を解明することはできなかった。また、この点変異が肝細胞特異的に発現するマウスを作製して解析した。しかし、このマウスにおいて肝細胞のインフラマソーム活性化や肝臓の異常(肝臓線維化など)は認められなかった。従って、本患者では、何らかの感染や薬剤投与などが加わり(NLRP1点変異による)肝細胞のインフラマソーム活性化が誘導された可能性が考えられた。病態機序の解明にはさらなる解析が必要である。
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